まずスタートとなるのが、「伸線」という銅線を細く伸ばしていく工程です。ダイスと呼ばれる真ん中に穴の開いた円筒形の金型をサイズ順にいくつかセットし、そこに順番に銅線を通すことで太さ数ミリから0.9mm〜0.4mmほどまで徐々に細くしていきます。
![機械のイラスト「伸線、焼鈍(しょうどん)までの2工程を担う機械です!」](img/factory_01/reportImg_01@2x.png)
![「ダイスに通しながらピュッと引き伸ばし、銅線を規定の細さに整えていきます。」](img/factory_01/reportImg_02@2x.png)
銅線を伸線する時は、「焼鈍」(しょうどん)が欠かせません。焼鈍とは、伸線などで硬くなってしまう銅線を適度な温度に加熱し、柔らかくして安定した品質にする加工のことで、焼きなましとも言います。この焼鈍によって銅が柔らかくなり、加工の途中でパキっと折れることもなくなるのです。常に一定の品質で伸線をするには、焼鈍をしながら加工することがポイントなんですね。
![機械のイラスト「機械から蒸気が上がっているのは、
銅線が焼鈍で加熱されている証拠!」](img/factory_01/reportImg_03@2x.png)
伸線を終えた銅線は、銅がむき出しのいわば “裸”の状態。このままだと隣の線と接触したり混線する恐れがあるため、次は「絶縁」というプラスチックをかぶせる加工を行います。工事の接続作業などで識別しやすいように電線を青・黄・赤・緑・紫・白・茶・黒などに着色したプラスチックで色分けするのがポイント。200度ほどの温度に熱して水飴よりもやや硬いくらいに溶かし、チューブ状にかぶせます。また、絶縁直後のプラスチックは柔らかく変形しやすいため、細長い水槽で冷却して固めていきます。
![電線のイラスト「銅線の周りにプラスチックを
チューブ状にかぶせて色分けします。」](img/factory_01/reportImg_04@2x.png)