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発見DEN!BASIC編 BASIC:002 電線ってどんな構造なの?

70年間で出荷された電線の量は? 6000回転

街に電気を届けたり、電車や新幹線を走らせたりする電線。
これまで作られてきた電線を、
もし一本の線にしたらどのくらいの長さになるでしょうか?
この70年間で出荷されたさまざまな種類の電線を、一番よく使われている
「電力用CVケーブル」という種類の電線の太さにしてみると※
なんと2億4千万kmになります!
これは地球を6000回転できるほどで、地球と太陽の距離の1.6倍の長さです。
途方もない距離ですが、大人になる頃にもう一度計算してみたら
もっと長くなっているでしょうね。

※平均導体サイズを22SQとした場合。SQというのは電線導体の公称断面積を表す単位(㎟)のこと、22SQの直径は鉛筆と同じくらいです。

電線を輪切りにしたら違いがあった!
単線のイラスト「導線が一本」「曲がらない!」
より線のイラスト「細い線の集合体」「曲がるんだ!」

さて、電線はどれも同じような線に見えますが、
輪切りにしてみると導体が一本のものと
複数の線から作られたものの二種類があります。
新幹線や電車を走らせるための電線(トロリ線)は「単線」と呼ばれ、
銅やアルミニウムを引っ張って作った一本の硬い線が導体です。
いっぽう、一般的な電線、ゲーム機のコードなどの導体は「より線」といい、
何本もの細い線をロープのようにより合わせて作られたものです。
より線は単線と比べて「かとう性」が高いので、曲げたりたわめたりできます。

電線の断面はなぜ円形なんだろう?

考えているイラスト

そもそも電線の断面はなぜ円なのでしょうか?
一般的な電線は、電気を均等に安定的に流すため、円い構造をしています。
また、使い道によっては平べったい形の電線も作られています。
導体を作るはじめの工程は、銅やアルミニウムのかたまりに熱をかけて
一定の力で引き伸ばし、円形の線「荒引線」を作ることから始まります。