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発見DEN!BASIC編 BASIC:003 絶縁体とシース、安全第一ののり巻き構造

導体を包む、安全のかなめ。 絶縁体 電線のイラスト「絶縁体」ごはんのように導体を包んで守る「シース」海苔のように絶縁体と導体を包む「この形状、まるで海苔巻きみたい!」

電線の被覆(ひふく)には「絶縁体」と「シース」という層があります。
たとえば海苔巻きの具が導体だとすると、
絶縁体はごはんのように導体の周りを包んでいて、
シースはごはんと具を包む海苔のようなイメージです。
人やものを感電させないために導体を包む「絶縁体」は
プラスチックで出来たものが一般的ですが、
使われる場所によってほかの素材が選ばれることもあります。
じっさいに港で貨物船から荷物を積み下ろすために使う
クレーン用の電線にはたわみや曲げに強いゴム素材が使われ、
100度以上の熱や燃えにくさが求められる航空機には
フッ素樹脂が使われています。

電線の鎧  丈夫なシース 電線のイラスト「海底ケーブルシース」鎧のように包んで守る!「海の中の電線を守るためなんだ!」

電線の表面には、絶縁体を守るための「シース」という層があります。
シースはプラスチックや金属で出来ていて、
もし電線にものが当たったり油や酸などがついても
絶縁体や導体が傷つかないように保護するという役割があります。
とくに海底ケーブルのシースは、船の錨や大きな海の生き物などから
電線を守るため鉄線で作られたとても丈夫なものもあります。

※シース(Sheath)とは:刀剣のさや、 覆いなどが本来の意味ですが、
電線業界では電線・ケーブルを保護するカバーとしての意味合いで使われます。

水よりも軽い電線って?

水中の電線イラスト

電線のなかには海水や真水の中でも沈まないよう、
特別な素材や形で作られたシースを持つものもあります。
電線の被覆(ひふく)の主な材料はポリエチレンなどのプラスチックですが、
水に浮く電線はプラスチックに気泡を入れて、被覆をスポンジのようにすることで
電線全体の比重を水よりも軽くしています。
絶縁体やシースはいろいろな化学製品とのコラボで作られているのです。

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