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発見DEN! FILE NO:012 山や畑にある送電線はどんな線?

送電線はどんな線? 架空送電線のイラスト「山や畑にある鉄塔から伸びるのは架空送電線なんだ!」

大きな鉄塔から伸びる「架空送電線」は、発電所で作られた、たくさんの電気を変電所まで届ける電線です。

発電所はさまざまな場所にあります。山の中には水が流れる力を使って発電する水力発電所があり、港の近くには海外から輸入される燃料を使いやすいよう、火力発電所や原子力発電所が作られています。
風車を使って発電する風力発電所は、風の強い港のそばや海の上に作られています。
また、家の屋根やビルの屋上、畑など日当たりの良い場所にソーラーパネルが置かれているのも、太陽光を使った身近な発電所です。
発電所から電気を送る送電線には、それぞれの布設場所に合った特性があります。

海底ケーブル、地中送電線のイラスト
いろいろな送電線 低風圧電線、低騒音電線、難着雪電線のイラスト「同じに見えても微妙に構造が違うんだ!」

送電線にはたくさんの工夫がされています。
風の強い場所では風による力の影響を受けにくい「低風圧電線」や、うなり音が出ない「低騒音電線」、雪の多い地域では湿った雪がくっついて断線したり、鉄塔が倒れたりするのをふせぐ「難着雪電線」が使われています。遠目ではわからなくとも、それぞれの構造には隠れた特徴があるのです。

送電線は高いところにあり、人が触れて感電する心配がなく、空気を絶縁体にできるため、被覆のないアルミニウムの裸線が使われています。
アルミニウムといえば、1円玉や缶などに使われていますが、送電線で使われるアルミニウムはものすごく純度の高いものです。
アルミニウムは銅と比べて軽く、その分太くできます。送電線を太く作ると、その分多くの電気を送れます。細い川より太い川の方がたくさんの水を運べるのと同じです。
山の中では鉄塔同士の距離がおよそ300メートル以上になることもあります。軽いアルミニウムでも、長さによって重くなり、送電線そのものに大きな力がかかります。
そこで送電線をより丈夫にするため、鋼線(鋼鉄でできた線)のまわりにアルミ導体を組み合わせて強くした「鋼芯アルミより電線(ACSR)」が使われています。

電線がたるんでいるのはなぜ? 電線の写真を眺めるイラスト

鉄塔と鉄塔をつなぐ送電線はピンと張られず、ゆるやかなU字型にたるんでいます。
一見、なんとなく線がたるんでしまったようにも見えますが、実はこのたるみ方は計算されて決められています。
電線を設置するときに、どれくらいたるませるのが良いかの度合いを「弛度(ちど)」
といい、電線がたるんだ形を「懸垂曲線(けんすいきょくせん)」もしくは「カテナリーカーブ」といいます。
この「懸垂曲線(けんすいきょくせん)」は電線の丈夫さや、気温の変化による金属の伸び縮み、風や雪の影響などを考えて、電線にも鉄塔にも優しいベストな大きさに決められています。
送電線を見かけたら、計算し尽くされたたるみにも注目してみてくださいね。

たるんだ電線のイラスト「縄跳びのU字と同じだね!」