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発見DEN! FILE NO:013 身近にある配電線はどんな線?

配電線ってどんな電線? 発電所、送電線、変電所、配電線のイラスト

発電所から送電線を通ってきた電気は、変電所で電圧を下げられ、工場やビル、家まで配電線で届けられます。
街や住宅街で見かける電線のほとんどは「配電線」です。
一般的な家には200ボルトから100ボルトで電力が、ビルや工場など大きな建物ではたくさんの電気が使われるので、3万3000ボルトから6600ボルトで電力が届けられています。

近所で見かける架空配電線 架空配電線、通信線のイラスト

電柱にかかっている架空配電線は、一見どれも同じように見えます。
しかしインターネットや電話など通信に使われる「通信線」と、私たちの家に電気を届ける「電力線」の二種類があります。

架空配電線は、電気の通り道となる導体を被覆で包んだ「絶縁電線」です。
被覆は、人々や電線そのものの安全を守ります。被覆には、ポリエチレンやポリ塩化ビニル、熱と圧力を加えて強化した架橋ポリエチレンなど、電線を劣化から守れる丈夫な素材が使われています。

電線と建物の距離はきまっているの? 距離1.2メートル  ビルの窓から電線を見ているイラスト

電線をより安心・安全に使うため、全国の配電線は「電気設備の技術基準」というルールにそって布設されています。
建物や看板と電線の距離、地面から電線までの高さ、そして配電線同士の距離などはこまかく決められているのです。

自然に負けない電線の特性

配電線は布設から長い期間その場を離れることはできません。
自然のきびしさに負けないためにたくさんの工夫がされています。

雪の多い地域では、電線の側面に小さなヒレをつけた「難着雪電線」が使われます。
雪は電線を芯にして積もり、くるくると回りながら層を作ります。
バームクーヘンを作るときと同じ仕組みです。
しかし、この層が厚くなっていくと、雪の重さで断線してしまいます。
しかし、ヒレがあれば雪は層になる前に落ちて断線しません。

風の強い地域では、電線の表面にデコボコをつけて風の当たる力を散らす
「低風圧電線」が使われています。
風速40メートルの風が電線に当たったときには、100kgもの力が働きます。
これは、お相撲さんが体当たりするくらいの力です。
低風圧電線を使えば、半分の50kgの力まで抑えることができます。

街路樹などの樹木のそばに敷設された配電線は、
枝と触れ続けることで表面が少しずつ削れ、導体が外に出てしまう危険があります。
これを防ぐのが「耐摩耗電線」です。
一般的な電線よりも表面が丈夫で削れにくいだけでなく、
表面が削れてきてしまった時でも、
目で見て分かるように色付きの摩耗検知層が埋め込まれています。

こういった特性を生かし、配電線は雪や風、枝に立ち向かい、今日も電気を届けています。